冬に咲くヒマワリ


『男友達』って言葉に少し首を傾げた玲は
しばらくして笑顔を浮かべながら俺に走り寄って来た。



「俊介!」

「あー?」

「飲みに行くよーっ!」

「はっ!?今から!?」

思わぬ玲の言葉に俺の頭が混乱する。


だけど構わず、玲は俺の手を引いた。

細い手が、俺に熱を伝えてくる。



なすがまま、引っ張られてる俺は

「お前、今何時だと思ってんだよ!」

そう言って腕時計に視線を向けた。


「いーじゃん!明日どうせ休みでしょ?」


いや、そうだけど!!



「ほら、行くよ!」


居酒屋を見つけた玲は
愚痴る俺をシカトしながらズンズン進む。



…何だかなぁ。
俺、今さっきまで飲んでて目が回りそうなんですけど。

だけど、まぁいっか。



玲が笑ってくれるなら。


どこまでも付き合うよ。





ちなみに、合コンでも浴びる程飲んだ俺は、結局玲と朝まで飲み明かして

次の休みを二日酔いで寝て過ごしたのは言うまでもない。




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