冬に咲くヒマワリ


暇だけど!

俺、このままじゃビール腹になるっ!



「ねぇ、行こうよ!あたし今日超ー暇なの。」

「…………。」

あぁ、どうしてこいつはいつも…。


玲の笑顔が、眩しすぎて視線が離せない。



「…わかったよ、わかった。だけど俺今日残業あるかもしれねぇから。」

「やったぁ!じゃあ待ってるわ!」

そう言って立ち上がった玲は煙草を消して喫煙室のドアに手を掛ける。


だけど
「あ、」と立ち止まって振り返った。



「俊介?」

「ん?」

「夏、海行こうねっ!」


…海?


「あたしの水着姿に惚れるなよっ!」

ニッと小悪魔な笑顔を浮かべた玲は、そのまま鼻歌なんか口ずさんで喫煙室を去った。



そして他の社員達も次々に仕事に戻る中、ポツンと残された俺は

「水着って…。」

そう独り言を唱えて
玲の水着姿を頭に思い浮かべた。



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