開運☆紅水晶
う、何でもない事だって分かってるのに……

顔が赤くなっていく。

うわうわ何これ。

恥ずかしい。

でも、絶対赤面してるってバレちゃだめだよコレ。

それが一番恥ずかしいって。

そいつに背中を向けて表情を隠す。

「あ、アンタさ…」

そのまま喋ろうとすると、素早く正面に回られた。

精霊だからか、異様に移動が速い。

あ、浮いてるのか。

「アンタ、だなんて。名前で呼んで下さいよう」

うえ、何その距離縮まってる感じ。

ちょっと待ってよ、相手のコミュ力に付いていけないよ…。

でも断るのも変、だよね。

「…名前って?」

「んー、あ。ローズクォーツです」

石じゃん。

あ、本体がソレなんだっけ。

…ん?

そういえば、どっかでローズクォーツって聞いた気が…。

そうだ。

「ここの神様ってローズクォーツなんじゃなかったっけ?」

聞くと、相手は大きく頷いた。

「はい!僕のお師匠様です」

…はい?

「え、何ソレ」

聞くと、相手はうーん、と首をかしげた。

「何て言うか、よく分かんないんですよ。お師匠様なんですけど、親でもあると言うか…」

「親?!」

ますます訳の分からない事になってきたよ?

っていうか親子とかあるのかな、石って。

「いやー…それもちょっと違うんですけど…」

「違うのかよ。」

「んー、だから、僕っていうか僕の本体って言うか、僕の石ですかね」

アレね。

私が地に置いたままにしていた石を指差すと、相手も頷いた。

「それが、この場所の守り神…っていうか守護石の欠片なんですよ」

…へぇ…?

「じゃあアンタはその、ココの守護石な訳?」

「えっと…いや、それも違って」

「あ、また違うの」

「すみませーん」

「いいけどね…」

もう。

何かコッチも慣れてきた。
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