開運☆紅水晶
このままだと結局インタビューできずに家で適当にでっち上げちゃうんじゃないかっていう予感もかなりするんだよなぁー…

そりゃできなかったら嘘書くけどさ、できるんならちゃんとやりたいよ。

でもね、私ほんとに人に話しかけるの苦手なの。

もー無理。

先生に何か訊くのも一大決心なのに、知らない人にインタビューするなんて。

できる訳ないよ。

でもアイツが言った言葉が気になる。

「……お手伝いって?何してくれるの?」

と嫌ながらも訊いた。

後ろから思いっ切り嬉しそうな声が聞こえる。

「ご主人様!聞き入れて下さるんですね!?」

飛び跳ねそうな声。

「違うよ!とりあえず聞くだけ…、で良い?」

と焦って訂正する。

「はい、結構です!」

そいつはニッコリと笑って頷いた。

「僕は貴女に愛と優しさを身につけて頂くっていう大義を抱えてますからねー!」

「…はい?」

何だか宗教の香りすらしてきたんですけど。

大丈夫かなこの人。

…いや、この精霊(自称)。

どうでもいいけど、何でも自称付けると胡散臭くなるよね。

この場合は胡散臭いから自称を付けたんだけど。

その精霊(自称)は、私が呆れているのに気付いているのかいないのか

「さ、とりあえず実践ですよご主人様!」

と私の手を引いた。

へぇ、精霊って触れるんだ。

さっき触った石みたいに冷たい手。

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