開運☆紅水晶
私は彼に引きずられながら

「ご主人様ではないからね」

とだけしっかり訂正した。

さっきいた場所の門を少し進んだ辺りで人を待つ。

人が居なければインタビューはできないからね。

そんなことを思っている間にも人が現れた。

20代くらいの女性2人連れ。

「おっ、人が来ましたよ!あれにしましょう、ご主人様!」

嬉しそうな声にギクリ、と背中を震わせる。

だってさー…

助けてくれるって言っても、実際話しかけるのは私なんだよ。

まだ何をしてくれるのかも聞いてないし。

さっきからの様子を見てても、精霊とかの威厳ぜんぜん無し。

どーなってるのよ。

彼を横目で見ながら不安を感じてたけど、それが許されたのも一瞬で。

「ほらご主人様、レッツゴー!!」

と妙なハイテンションで背中を押された。

うー…

どうすれば……

何も出来ずに固まっていると、精霊が突然

「まずは駆け寄る!」
と耳元で言った。

「えっ、え?」

いきなりな指令に動けずにいると

「ほら早く早くっ!」

急かされ、その声に釣られてその人達の元に駆け寄る。

「正面で止まって笑顔!」

横で飛ばされる声に促され、ヘラっと笑ってみる。
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