極上笑顔の上司

おねぇさんは
楽しそうに、座って~とか言いながら、
鏡の前の椅子に私を座らせて、
髪をほどいて「アップがいいかしらねぇ。」

なんて言いながら、
髪の毛をどんどんアレンジしていく。

何なのかしら・・・


私、流されているけど・・・
「あのぉ・・・」


「なぁに?」


「私は、いったいどうなるんでしょうか?」

おびえたように聞いてみる。

いやいや、
ちょっと本当に怖い。

もちろん、
柳田さんを信頼はしてるんですが・・・


おねぇさんは、
一向に手を休めることなく、
「大丈夫よぉ~
 かわいくしてあげるから。あっ。
 ソレとも、セクシー系がいい??

 そうね。
 
 その方が、海人も喜ぶわね。」

ぶつぶつ言いながら、
勝手に私の髪をくるりと持ち上げる。

はぁ。

なんだか、もう、
流されちゃえ。


そう思って、あきらめて
鏡の中の自分を見つめることにした。

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