極上笑顔の上司

ちょっと考え込んだ私を
くすっと海人部長が笑って、

「もちろん、綾菜もかわいいよ。

 というか、今日はセクシーだ。
 足とか、腕のラインとか」

部長はにっこりと笑って
甘いセリフを吐いてくるもんだから、
思わず顔が紅くなる。


「そっ。
 そんなこと言われてもっ。」

どんな顔していいか分かんないっ。


「おいで。」

にこにこしながら、
しなやかに海人部長は
私の腕をとり、

さらりと腰に手をまわして
「じゃぁ、ありがとね。タローさん。
 またよろしくね~ 」

「はいはい。」


タローさんと呼ばれた綺麗なおねぇさんは
ひらひらと手を挙げて
私たちを見送った。



外に出ると、
待ち構えていたかのように
柳田さんがニコリと笑って、
車のドアを開けて

二人は乗り込んだ。


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