極上笑顔の上司
あぁ、呉羽部長も海人部長も
なんだか、ぜんぜん違う『顔』。
完全にプライベート。
二人で会話するところなんて、会社では見たことないもの。
やっぱり、兄弟なんだなぁ。
のんびりと、二人の様子に見入ってしまう。
あ。笑い方が二人って似てるんだ。
とか、思っちゃったり。
「ところで、兄さん。珍しいね?」
「あーー、別にパーティに来たわけじゃないんだ。」
確かに、パーティに来るには
いささか普通のビジネススーツすぎる。
呉羽部長は、ちらりと私を見たから、
あ。聞かれたくないのかな?
と思って、
すっと2~3歩後ろに下がる。
くすっと、呉羽部長は笑って、
「いや、いいよ。綾菜さん。
別に、聞かれたらまずい話でもない。」
「・・そ・・・そうですか。」
呉羽部長に、「綾菜さん」なんて呼ばれるから、
いささかこそばゆい感じがする。