極上笑顔の上司
海人部長は、なぁに と言いたげに、顔を傾ける。
その、しぐさ一つ一つに思わず見とれてしまう。
はぁ。
どうしたんだろ、私、
海人部長を意識しすぎてしまう。
どうしよう。
そんな私の心配をよそに、
呉羽部長は、話を続けた。
「実はさー、
ここで結婚式しようと思って。
下見に来たら、お前がいたってわけ。」
「あー、そうなんだ。」
「ついでに、お前宛の電話が俺のトコまで来てるぞ。
ちゃんと、手ぇ切れよな?」
「え?あの子・・・かなぁ
ひどいな、そんなことするの?」
爆弾発言をさらっと呉羽部長が伝える。
「ちなみに、あちらに神原の御嬢さんがいらしたぞ。
そして、向こうには花京院コーポレーションの常務と・・・
挨拶して、呉羽の名前と顔覚えてもらっといて。」
「え?兄さん、今度は病院とかと業務提携狙ってんの?」
「ちがう。学校関係、教育関係と狙ってるんだ。
だって、結婚して子供生まれたら、なやむだろ? 」
「えぇ。兄さん。結婚もまだなのに、
どんどん勝手に決めてったら、怒られるよ?」
呆れたように、
海人部長は兄である呉羽部長に告げる。