極上笑顔の上司
「なんで?
愛してるから、さっさと進めるだけだろ?
いやだと言ったら、違うところで式を挙げるし。
まぁ、最善の努力と愛は伝えてるから、大丈夫。」
「相変わらずだねぇ、兄さん。」
じゃぁな。といって呉羽部長は
会場をぐるりと見回すようにして、
帰っていく。
「・・・びっくりしました。」
「そうだねぇ。
学校とか教育関係は専門外だからねぇ。」
いや、そこじゃなくて。
と思ったけど、
一応、あいまいに笑っておいた。
呉羽部長ってば、
仕事と全然違う。
柔らかな表情。そして、意外と一途でロマンチスト。
「じゃぁ、とりあえず挨拶してきていぃ?」
隣で海人部長がふんにゃり笑う。
あぁ、やっぱり
なんだか、癒される。
「はいっ!!」
私は無駄に大きな返事をしちゃった。