極上笑顔の上司

ちょっと悩んでいると

香川君はますます
私の手をぎゅっと握りしめて

「俺がいるから大丈夫ですよ」

とまっすぐ見つめて言われた。

おぉ。なんだか胸キュンワードっぽいね。
香川君って
ストレートにそんなセリフも言うのね。

びっくりした。
きっと彼女とかにも
優しいんだろうなぁ。

そんなことを思いながら
香川君を見つめ返した。

あ。
香川君って
意外とまつ毛長いのね。


思わず
観察しちゃう。


香川君がぱっと私の手を放して、
恥ずかしそうに
目をそらしながら頭をかいた。


「ずるいっす。綾菜さん。」

「・・・?」

何が??


急にあわてた香川君を怪訝そうに見る。

「だからーー、
 そういう表情っす。」


「そ・・・そんなこと言われても。」


困る。

いやぁ、そんなに困った顔されても、
顔の表情が悪かったのかな?私。
なに?そんなに不機嫌そうに見えた?



「おい。香川~抜け駆けかぁ?」

後ろの方から
牧瀬さんが駆け寄ってきた。

どうやら二次会に行くらしい。


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