極上笑顔の上司

海人部長は困ったように
笑ってから、
この、参加しましょう攻撃を
やんわりと対応している。

「いやぁ、僕は帰るから・・・
 『部長』がいない方が羽目を外せるでしょ?」

ぶーぶー文句を言いながら、
色々言う女の子たちを
なだめる。




その横から、


「綾菜さんもいきましょうよーー」

なんて言いながら、香川君が私の腕をつかんだ。

「いや、私はーー」

「じゃっ、俺、送ります!」

「・・・いや、一人で帰れるんだけど。」

「俺、ちゃんと綾菜さんを送りオオカミしますから。」

おいおい、
何宣言なのそれ。


意外としつこい香川君の誘いに
ちょっと困る。

うーん。
酔っ払いって大変。

自分が酔っぱらってないと
冷静に見ちゃう。

「おおーーい。香川くん。
 綾菜ちゃん困ってるじゃないか。なぁ?」

「はい。
 困ってます。」

牧瀬さんが笑って間に入る。

「言っとくけど、香川。
 過剰なボディタッチはセクハラだぜ?」

おぉ。
牧瀬さんありがとう。

掴まれていた手を払ってくれる。



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