極上笑顔の上司
「牧瀬さーーん。
なんで邪魔するんっすか・・・
あっ
もしかして、牧瀬さんも綾菜さん・・・」
香川君が はっ!となってるけど、
か が わ くーーん。
思い出して!
牧瀬さん、新婚さんだよ?
ほら、
指にも自慢してた指輪が光ってるじゃないっ。
そんな香川君を
牧瀬さんはまたからかうように、
「実は・・・・」
なんて、意味深に言うものだから、
香川君は顔を真っ赤にして、
私に駆け寄る。
「綾菜さんっ。
俺っーー」
肩をぎゅーっとつまかれて、
体制を崩されて、
思わずよろける。
「きゃっ。」
「おいっ。香川っ!」
牧瀬さんが手を差し伸べて
香川をはがすようにするよりも先に、
ふわっと
腰のあたりから
抱き上げられるように、優しい手が
私を包んだ。
「香川。強引すぎ。」
なんて言いながら
香川君と私を引き離してくれた。
「あ。ありがとうござい・・ます。
海人部長・・・」