極上笑顔の上司
海人部長は、
いつものようにふんわり笑いながら、
「高梨さん?
行こうか?」
と手を差し伸べた。
「はぁ・・・」
その手を思わず流れで
海人部長の手に私の手を乗せる。
そのまま
「こっちだよ」と言われながら
スタスタと歩道を歩く。
・・・あれ?
なんだか手をつながれてますけど・・?
あまりにも自然な感じで手をつながれたので
なんだか振りほどくのも
不自然で・・・
ど・・・
どうしよう。
ちょっと顔が紅くなる。
手をつなぐなんて---
何年ぶり??
軽く動揺していると、
海人部長は慣れているのか
平然と、
車道に止めてある車の前に立った。
「はいどうぞ。」
ガチャっと後ろ座席のドアが開かれて
そのまま席へとエスコートされる。
座り心地のいい革張りの
シートがきゅっと沈む。