極上笑顔の上司
・・・アレ?
何も考えずに乗ったけど・・・
後部座席の反対側から
海人部長も乗り込む。
「おかえりなさいませ。
海人さんーー
えぇっとお嬢様。」
運転席から声をかけられる。
「柳田。こちらは高梨 綾菜さん。
会社の部下だよ。」
「初めまして、高梨様。
柳田と申します。」
振り向いて声をかけられる。
私もあわてて頭をさげる「た・・高梨ですっ。」
初老の品のいい男性は
にっこりと優しそうに笑う。
やっぱりぃぃ・・・
何も考えずに乗ったけど、
これって、海人部長の車(運転手付)じゃん~~~
勝手に
タクシーで送ってもらうって思ってたから、
動揺してしまう。
部長は呑気に
「柳田、車出して。
あ。高梨さん、くつろいでいいからね?」
にっこりと笑った。
すいません。
逆にくつろげません。
これ、利理ちゃんだったら大絶叫して大喜びだなぁ。
っていうか、
会社の人にばれたらーー
うん。
確実に嫉妬されそうだなぁ。
なんてぼーっと考えていたら
海人部長が覗き込むように私を見て、
にっこり笑った。