極上笑顔の上司

「ありがとうございました!」

私は部長と
運転してくれた柳田さんに頭を下げて
ガチャリとドアを開ける。

「まって、
 ちゃんと部屋まで送るから。ね?」

「うっ。わ。」

海人部長に素敵な笑顔に思わず声が出た。

だーかーらー
イケメンの極上スマイルを正面からって
結構なときめきポイントだって。



「・・何?」

不思議そうに首をかしげる。

そりゃそうだ。

「えっと・・・そのぉ。

 今、深夜12時なのに

 なんだか五月の風が吹いた気分だったので~~

 びっくりしたというか、
 きらきらすぎて 
 正面からは破壊力があるっていうか。

 はい。」


部長相手に失礼になってないだろうか、
私は
アルコールの入った頭で考えながら
言葉を選んだんだけど、

なんだかよくわからない説明に
部長は、
めずらしく顔をしかめて

困ったように「どういうこと?」
とつぶやいた。


いや、だから・・・

「ぶっ!!!」

このムードを壊したのは、
運転席の柳田さんだった。

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