極上笑顔の上司

「ぶあはあははっ。」

ひーひー言いながら
どうやら私の言い回しにはまったようだ。

海人部長はますますハテナ顔。


「・・・しーー失礼しました。
 高梨様。」

「柳田さん笑いすぎです。」
と言いながら、
私も一緒に笑ってしまった。


「高梨様。
 海人様の笑顔は
 無自覚の武器でございますのでご了承ください。」

「すごい破壊力でびっくりしました。」

「海人様には少し自覚をしていただきたいんですが、 
 それが海人様の魅力ですしーーー」

「えぇ~?
 海人部長って・・・ホント無自覚ですか?柳田さん?」

「はい。高梨様。」

「やだぁ。高梨様は止めてください。
 私は綾菜でいいですよぉ」

経理にも同じ苗字がいて紛らわしいので
皆からも綾菜って呼ばれているし。


思わず柳田さんと盛り上がる。
海人部長はきょとんと
「ちょっと・・無自覚ってなんだよ。」
なんてぶつぶつつぶやいている。






噛み砕けば、
海人部長の笑顔にトキメイタだけの話。







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