極上笑顔の上司
「なんなんだ?」
海人部長はちょっと不満げに
柳田さんと私を見比べる。
そりゃそうだ。
いきなり二人で大爆笑なんだから。
格好良くて、
お金持ちで、
いつもニコニコで、
なおかつ
天然。
「部長って、超・優良物件 ですね。」
部長の極上スマイルには及ばないけど、
しっかりと目を見て、
にっこりと笑い返してやった。
『超優良物件』がよっぽどおかしかったのか、
柳田さんは私が下りるまで
くくくと笑っていた。
柳田さんダンディーなのに
笑いのツボは一緒かもしれない。
「部長、ありがとうございました。」
本当に部屋の前まで送ってくれた部長に深々と頭を下げる。
「うん。お休み。
しっかり休んで、また月曜ね」
なんて、
また優しい笑顔で笑いかけるものだから、
思わずときめいて、しまった。
流石、
超優良物件。