極上笑顔の上司
あんまり乗り気じゃない私を
利理ちゃんがぎゅっと手を握る。
利理ちゃんのネイルが
キラリと光る。
抑えたピンクのラメ入り。
かわいいなぁ、
私も今日 帰りにネイルに行こうかな。
「綾菜さん。
私は、
綾菜さんだったら、海人部長を落とせると思いますよぉ?
お似合いですもん。」
「へぇぇ?!!」
いやいやいや。
あの美形の隣に立つのは
結構な勇気です。
でも、
利理ちゃんのおせっかいにうれしくなる。
「ふふ。利理ちゃん。ありがとう~」
「私にできることがあったら言ってくださいねぇ??
私、海人部長、カッコいいし、好きですけど、
綾菜さんはもっと好きですからぁ!」
利理ちゃんはにっこりと笑った。
あぁ。
いいな、利理ちゃんのこういうところ。
素直に
私を慕ってくれる。
なんだか、
くすぐったい。