極上笑顔の上司
ふいに、
ふわりと体を後ろから
ぎゅぅっと抱かれる。
ふんわりと爽やかな香りに包まれる。
「きゃっ。」
「香川。綾菜に触れないで?」
耳元で優しい声が落とされる。
私は一瞬 何事かわからず、
固まってしまった。
「か・・海人部長?」
香川君が小さな声で呟く。
「へぇ??」
牧瀬さんが、楽しそうに顔を緩める。
・・・って・・・
部長?
海人部長に・・・
抱きしめられてる?!!
ようやく頭が回り始めた私は、
思わずかぁぁぁっと顔が紅くなるのが解る。
「あぅっ。あのっ?!!」
私が、何か言うより先に、部長がいつもの様に
にっこりと優しい声で先につぶやいた。
「だから、
綾菜に触れていいのは、僕だけだから。ね?」
優しい笑顔で微笑まれた。