極上笑顔の上司
いつもの様に、
いや、いつもよりは遠慮がちに
香川君が、
「俺がやります。」
とコーヒーメーカーの給水タンクを
私の手から取り上げた。
「あ。私が・・・」
「大丈夫ですよ。」
そういった香川君は若干元気なさそう。
どうしたんだろ。
もしかして、
まだ仕事が山なのかな。
「大丈夫?なんか元気ないね?」
「・・・・。」
香川君はちょっとびっくりしたように
私を見てから、
ちょっと、困ったように笑った。
「そりゃ・・・
失恋しましたからね?」
「えっ?そうなの?」
そりゃ、へこむわ。
こんな爽やかイケメンの香川君を振るなんて、
見る目無いなぁ。彼女さんも。
「・・・そうなの?って・・・」
香川君は、はぁっとため息をついた。
あぁ。
本当に落ち込んでるんだな。
頑張れ、香川君。