極上笑顔の上司

いつもの様に、
いや、いつもよりは遠慮がちに
香川君が、
「俺がやります。」
とコーヒーメーカーの給水タンクを
私の手から取り上げた。


「あ。私が・・・」

「大丈夫ですよ。」

そういった香川君は若干元気なさそう。
どうしたんだろ。

もしかして、
まだ仕事が山なのかな。

「大丈夫?なんか元気ないね?」

「・・・・。」

香川君はちょっとびっくりしたように
私を見てから、
ちょっと、困ったように笑った。


「そりゃ・・・
 失恋しましたからね?」

「えっ?そうなの?」

そりゃ、へこむわ。

こんな爽やかイケメンの香川君を振るなんて、
見る目無いなぁ。彼女さんも。


「・・・そうなの?って・・・」

香川君は、はぁっとため息をついた。

あぁ。
本当に落ち込んでるんだな。

頑張れ、香川君。



< 84 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop