命の足音【短編ver.】
二人の会話にムッとした僕は、思わず口を挟んだ。
「僕がいる側で僕の悪口?二人とも、そうとう勇気あるみたいだね」
そんな僕の台詞に、桜は笑って、土方さんは勝ち誇ったように口端を上げて。
二人を笑わすことが出来て、僕も嬉しくて楽しくて。
……こんな空間を作ってくれる二人に感謝する。
だって、病のことなんか、すぐに吹っ飛んでいくんだから。
ずっと前、それぞれの時間で、偶然にも二人は僕に同じことを教えてくれた。
『死に方より生きた過程が大事』なのだと。
そしてこう続けた。
『戦えることだけが力じゃない。総司の言葉が自分達の力になる。決して無力ではない』──と。