7年越しのラブストーリー
「千夏。
後夜祭、一緒に見るぞ」
不意に言われた。

「うん…。
あっ、いやっ、でも…」

私も後夜祭、真尋くんと一緒に過ごしたい!
思わず返事をしたが思い出した…
私、佐藤くんにフリースロー対決に勝ってもらわなくちゃいけないんだ!

そんな私の不安に、
「大丈夫だ!
千夏と後夜祭を過ごす権利は、誰にも渡さないから」
真尋くんは笑顔で宣言する。
「えっ…?」
聞き返すと、
「木村先生に頼んだよ、特別参加。
まぁ条件付きだけど。
それでも負けないから、安心して見てろ!」
そう言って、頭をポンポンとしてくれた。

うん。
真尋くんの言葉に、
頭をポンポンとしてくれる温かい手に、
すごく安心した。

それから私たちは、余興が行われる体育館へと向かった―



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