7年越しのラブストーリー
そう考えてる私に、その人は声をかけた。

「浅井千夏さん。
直接会うのは2回目だけど、覚えているかしら?」

探るように私を見る。

私はその人を思い出そうと、記憶をたどる。
でも、なかなか思い出せない。

そんな私を見て、呆れたように言う。

「私は塚原咲智。
真尋や、あなたのお兄さんの高校の同級生よ」

そう言われて思い出す。
中1のとき、真尋くんに連れてきてもらった高校近くの洋食屋さんで、お兄ちゃんと一緒にいた人だ!
真尋くんのことも、お兄ちゃんのことも呼び捨てしていて、ずいぶん親しいんだなぁと思ったんだ。

「思い出してくれたみたいね」
塚原さんが苦笑を浮かべながら言う。

「はい。すいません」
私は頭を下げた。

塚原さんはそんな私に言葉を続けた。
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