7年越しのラブストーリー
靴を履きかえて外に出ると、
「実穂、遅いよ。
待ちくたびれた」
と言う声が聞こえた。

声の主は山下くん。

「どうして…?」

私の問いに、
「ん?彼女を待ってちゃダメだった?」
と平然と答える。

彼女って…
私みたいな、自分のプライドのために平気で大切な友達を傷つけてしまうような女、優しい山下くんには似合わないよ…

もっと優しくて、
もっと心のキレイな女性(ヒト)が、
山下くんには似合うよ…

そう思うけど、言葉が出ない。
いや…
言葉に出せない。
山下くんが好きだから。

そんな私の気持ちを察っするように彼は言う。

「実穂さ…、何を1人で勘違いして悩んでいたの?
俺はちゃんと、実穂が好きだと告白したよね?
今でも、その気持ちに変わりはないよ。
実穂のことが好きだよ」
「………」

< 227 / 233 >

この作品をシェア

pagetop