星空の下で
中学時代、実際、秀誠はとてもよくモテていた。

一生に3度ある、と言われるモテ季がずっと続いているような感覚だった。

秀誠がそんな充実した中学生活を送る一方で、私はひたすら勉強に励んでいた。



あの、



回想シーンの途中で、知らない透き通った声が割り込む

現実に戻る。笑


はい?


振り返ると背の高めの高校生が立っていた

綺麗な人だ。

髪をハーフアップにしている。


あなたじゃなくて。


その人は秀誠の方を見つめる


あなた、荻野秀誠君?


そうですけど?


秀誠は突然話しかけられ、怪訝そうな顔を隠しもしない。


私、卓球部のマネージャーをしてる、2年の栗原理恵といいます。
顧問の石倉先生から、あなたをスカウトするようにって。


秀誠は彼女が卓球部の関係者だと知るや否や表情をコロッとかえた。


俺、卓球部入ります。


栗原先輩はフワッと微笑む。

花が咲いたようだ。


モテるんだろうなー


勝手にそんなことを想う


荻野君、全日本卓球大会で準優勝したのよね?
歓迎するわ。
今日、放課後うってるの。
見に来る?


秀誠は即頷いた。

栗原先輩はにっこり笑って去って行った。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop