星空の下で

～～秀誠～～

なんであんなこと言ったんだろ。


思わずつぶやく。
いまでも信じられない。
これまで樹菜は幼馴染とはいえ、遠い存在のように感じてきた。
俺は俺、樹菜は樹菜。
卓球の道を突き進む自分と、真面目に勉強にいそしむ樹菜は住む世界が違うと思って線を引いてきた。
なのに昨日…


おーい、秀誠。
お前、やっぱ卓球部入るわけ―？


隣の席でパンをくわえながら、村岡壮が言う
村岡は高校に入って一番に出来た友達。
サッカー部に入るらしい。


あー
まぁ、そのためにココ来たわけだし？

そかー
そだよなー

ん？

いやー
お前さ、全然気にしてないみたいだけどさ、
卓球部のマネで超きれいな先輩いるらしいぞ

キレイなー・・・
あー栗原先輩かー？


昨日話したキレーな人を思い出す


あー、そーゆー名前の人。
サッカー部の先輩が話してた。
校内でもかなり人気らしい

ふーん

ふーん、ってｗｗ
お前、気にならないわけ？
名前覚えてるくらいなんだからさー

いやー
よくわからんー


気にならないと言ったらうそになる。
確かにあの人は素敵な人だなと思った。
人気があるんだろうな。


で、昨日サッカー部の先輩にどれか教えてもらったんだけど


そこで声のトーンを落とす


栗原先輩？
あの人さ、胸もかなり巨乳だぜ、
遠くからでも思ったけど、体操服着てるんだけど、もー胸がおっきくて体操服の
バストがムチムチ。
エローって先輩と話してたんだー。


声を元の通りに戻す


で、その先輩、彼氏いないんだと。
この前別れたばっからしいぜ？
チャンスじゃん！
お前イケメンだしー

意味が解らん
お前の趣味の話じゃねーかｗ

でも、あの先輩が相手だったらふらねぇだろ？


確かに、そうかもしれない。
そう思って思わず苦笑いした。


ま、ありえない話だけど。