春河家は今日もドタバタです。

トボトボ・・・
トボトボ・・・

緑涼と祇儀の後ろを疲れた表情で歩く朱桜と橙梓。
並んで歩く彼らの間にはまだ蟠りが残っている。そんなとき、重い口を開いたのは朱桜だった・・・

「・・・ありがとう・・・。」
「・・・当たり前だろ・・・お兄ちゃんなんだから。」
「でも、心配しすぎなんだよ(怒)」
「お兄ちゃんは、お父さん代わりしてんの。でも・・・ごめんな。」

そんな会話を交わしながら、家路を急ぐ彼らの言葉をニコニコしながら拾う緑涼と祇儀であった。

「凄かったね。」
「うん。」

朱桜と橙梓の一件は、正嗣と美佐子にもリアルタイムで届いている。墓を通して、自分達のいるあの世に・・・
コーヒーを片手に、この一件を見つめていた正嗣は微笑みながら美佐子にこう話した。

「でも、朱桜も橙梓君もこれがきっかけで少しずつは“きょうだい”に戻ってくれるといいんだけど(笑)」
「大丈夫よ、ね(笑)」

「「そ、そうですね。」」

実は、正嗣と美佐子の元に遊佐と砂靭もいた。清澄からの指示で、橙梓が春河家に不法侵入(?)した件について報告するために。

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