春河家は今日もドタバタです。
「そんな事、考えなくっていいんじゃないかな?」
緑涼と弦九朗は、思わず声の聞こえるほうへと顔を向けると、窓枠に座り、ふくろうの様に大きくきらきらした目で彼らを見つめる黒シャツの男。緑涼は、土足のままの男に注意しようとしたのだが・・・
「大王様!」
弦九朗のその言葉に驚いてしまい、頭の中の感情がすべて吹っ飛んでしまった。
閻魔大王は、ニコニコしながら「どう?情報まだ来ないけど(笑)」といいながら、靴を窓の縁に並べるようにおいて入室。彼らの間に入るように正座してしまった。
「ぉぉおおおおお、お茶とってきます!!」
緑涼は、慌ててリビングに向かおうとするのだが「こいつに茶はいらん。」という声が・・・
「凛香!こいつって!だ、だって、だって、この方(慌)」
閻魔大王の横に凛香が平然と座っている。
“何が?”といった顔で緑涼を見つめながら「正嗣は言っておらんのか?」と緑涼。
「何が、ですか?」
すると、凛香の口から思わぬ言葉が飛び出した・・・。
「こいつ、私の“出来損ない”の旦那。肩書きだけいい物を持っておるがのう・・・」
そういいながら、閻魔大王をさっと睨み付ける。そして・・・
「今日のこの時間は“会議中”ではなかったのか・・・(怒)」
閻魔大王が締めている黒いネクタイをぐっと握ってぎゅっと引っ張り出した。
「いつも・・・一緒のところで・・・みんな揉めるんで・・・飽きました・・・」
「お前は・・・」
怒りが頂点に達した凛香。そこから、とんでもない状況になってしまい、緑涼も弦九朗も思わず目を覆う。