春河家は今日もドタバタです。
数百年前
「あっ!!!!」
くるくる回る景色
飛んでいく山菜
気づいたら・・・痛みと寒さしか残らなかった・・・
「痛いよ・・・寒いよ・・・」
薄暗い景色しかない
手と足は見ないようにした
見ただけでもっと痛みが増すから・・・
このまま・・・死ぬのかな・・・俺・・・
「清澄、早く!!」
誰か・・・来る・・・
助けて・・・
助けて・・・
「痛いよ・・・助けて・・・」
「大丈夫だ、すぐ助けてやるからな!」
「院長、準備が出来ました。」
「ちょっと痛いけど、我慢しろよ~。」
これが、俺と大王・・・祇儀さんと清澄さんとの出会いだ。
「これでよしっと(笑)がんばったな、えらいぞ(笑)」
木の枝で固定された右足。布でぐるぐる巻きの右腕。頭にも巻かれているのが感覚で判る。
「清澄、まだ時間あるかな?」
「はい。10分ほどでしたら往診に間に合います。」
「そっか(笑)じゃ、君のお家どこかな?」
「お・・・俺・・・自分で帰れるし・・・」
「だめだ。こんな足じゃ歩けないだろう(笑)」
俺は祇儀さんに抱えられながら山を降りて、家に帰ることになった。
「おじさん、名前は?」
「祇儀(笑)隣にいるのは、清澄。おじさんのお仕事の相棒って所かな。君は?」
「遊佐・・・。」
「遊佐君か。どうしてこんなところにいたの?」
「山菜取り“おとう”と“おかあ”に・・・。」
「えらいねぇ。」
何十分か山道を歩いて、やっとついた家。
家の前では、おとおが俺を待っていた。