春河家は今日もドタバタです。
「あいつらしいのう・・・。」
そうつぶやきながら、お茶に口をつける凛香。そんな凛香に「で、その日来てたもう一人がこいつなんです。」といいながら遊佐は砂靭を指差す。
「僕も、大王と清澄さんに助けてもらったんです。行き倒れになってるところを大王と清澄さんが見つけて看病してくださって・・・。」
「あいつらは、怪我や病気になっている者を見過ごせないんじゃ、性格的にのう。」
「そうそう。困ってる奴を見過ごせない。それが人間だろうが妖怪だろうが、善人だろうが悪人だろうが関係ない。祇儀の兄貴と清澄の兄貴の生き方なんすよね。」
「お待たせしました!」
弥勒が椿達のテーブルにお膳を持って登場。そのお膳の上に乗っていたのは、ふた付の黒い器。中を開けると・・・
「うわ~っ!」
冷たいぜんざいに桃色の花の形をした白玉が浮いている。
「冷やしぜんざいか~。」
「うまそ~っ!」
「召し上がれ(笑)」
口の中で広がる小豆の甘い味。椿を少しだけ癒すのだが、また不安に押し戻していく・・・