春河家は今日もドタバタです。
薄暗い車内
舞い上がる土埃
弦龍と禮漸は、闘っていた。
身体中を傷と返り血で赤く染め、武器を振るう。その様子を見守る祇儀は、すっと何かが動くのに気がついた・・・。
「はいっ、そこまで!」
「なにすんのよ!!」
一瞬で移動した祇儀。
彼がその場で掴んだもの、それは虎黎の右腕だった。
「そんなに闘いたいなら、お相手しましょうか、お嬢さん。」
“お嬢さん”
その言葉にドキッとしながらも、虎黎は祇儀の腕を払いのけるのだった・・・。