春河家は今日もドタバタです。
「確保~!!」
清澄のその声と同時に深波と弦九朗は弦龍に飛び掛る。近くにいた禮漸は清澄に引きずられる形で結界の中へと入れられる。
「清澄さん!!俺はまだあいつと決着がついてねぇんだ!!だから・・・」
「駄目です!!こんな怪我で戦ったら死んでしまいます!!」
「死ぬ気で・・・死ぬ気であいつを、あいつを・・・」
結界の中で気を失う禮漸
清澄の右手には、小さな注射器が握られていた。
「椿さんのことを考えてください。」
清澄はそう呟くと、禮漸を静かに床に寝かせた・・・
「てめぇ!!!!!!」
怒り狂う弦龍。必死で深波と弦九朗の手を払いのけようとするが、彼らのあまりの強い力に抵抗するのがやっとだった。
「まぁ、そんなに怒りなさんな。」
そういいながら、虎黎を深波に託す。
徐々に笑顔を消していく祇儀。その顔は、魂を裁くときの顔に変わっていく。
「脱獄がどれだけ重い罪か、分かってるな、君達。」
彼らと同じ目線に合わせる為に、祇儀は床に胡坐をかく。そして睨みつける弦龍の頬を思いっきり引っ叩いた。
「お兄ちゃん!!」
悲痛な叫びのようにも聞こえた虎黎の声が崩壊した車両に響いていく。
「君もだ!」
そういいながら、今度は虎黎の頬を引っ叩く。