幼なじみでも恋していいよね?!
あたしとアイツ。
「ほーらっ、起きなさい悠大!
遅刻しちゃうよっ!!?」
カンカンカンカン!
あたしは精いっぱい、金属で出来た鍋とお玉を打ちつけた。
「……ん〜?今何時だよ、ゆい。」
眠そうな目をこすって、あたしの幼なじみの悠大は、ベッドから起き上がった。
「もーっ、いつまで寝てるのよっ!もう8時だよ!!」
悠大の耳元で大きい声で怒鳴ると、さすがに目が覚めたらしく、
「えっ、8時!!?まじかよ!遅刻ギリギリじゃん!」
勢い良くベッドから飛び降りた。制服に着替えながら、バタバタと一階へ降りていく悠大を目で見送ると、
「いつも悪いわね、ゆいちゃん。悠ちゃん、私が起こしても起きないから…」
悠大のお姉さん、麻実さんが申し訳なさそうな顔であたしをみつめた。
「いーえっ!いいんですよ!こんなの、全然苦じゃありませんし!いつでも頼ってくださいっ!」
そう、遅刻ギリギリまで寝ている悠大を起こすことはあたしの毎日の日課なのだ。
あたし、安達ゆいと五十嵐悠大は幼なじみで、小さいころからずっと一緒に過ごしてきた。
悠大はあたしの一つ上。
あたしは今高校1年生で、悠大は高校2年生。
年は違うけど、でも、
生まれたときから現在まで、ずっと一緒。
だから、あたしと悠大は、ん〜なんていうか、家族みたいなものなんだよね。
お互い恋愛関係とかに発展することもなく、この17年間、ただただ家族のように今まで過ごしてきた。
このゆる〜い関係は、とても心地よくて毎日楽しいの!
この関係がいつまでも一生続くもんなんだってあたしは信じてる。