幼なじみでも恋していいよね?!
「……お前いきなり上から降ってくんなよな〜!危ないだろ!」
気がつくと、目の前に悠大の顔。
あたしは見事に悠大の上に覆いかぶさってしまっていた。
「わわっ…顔近いよっ!バカ悠大っ!」
「バカ!?!?
……ゆい、それ恩人に対する態度かよ?」
軽くあたしのことを睨み、そして思いっきりあたしの両頬を引っ張って、更に顔を近づける。
「ぎゃぁぁ…!!いひゃいいいいいっっ………!!!…っ!いたいってばぁぁぁ!!!!」
あたしは涙目になりながら必死に抵抗した。
すると悠大はスッと力を緩め、ふっ…と笑った。
「ゆいは本当に…なんかアホだよなぁ(笑)」
クククッ…と肩を震わせて笑う悠大。
あたしはそんな悠大を見て、特に反論しようとは思わなかった。
「んも〜〜!笑いすぎ!ホラ遅刻するから早くいこ???」
「おう!……じゃあ今日は"妹"のために"お兄ちゃん"がチャリ漕いでやるよ!乗りな!!」
「えっ!いいのっ!?
やったー!!ありがと、"お兄ちゃん"!」
あたしもおかしな家族ごっこに乗ってあげた。
「じゃ、行こうぜ!
…………姉貴、行ってくる!」
すると、今まであたしたちのやりとりを楽しそうに見てた麻実さんが、
「はーい、行ってらっしゃい!
悠ちゃん、ゆいちゃん!」
笑顔で送り出してくれた。