氷結世界と月光姫《つきのひめ》
どうかしたもなにもないですよっ!?


「誰ですか!? え、なんでここに――」


いいかけて、ふと、あることに気づく。



「もしかしてあなたも、眠り子の…?」

「そうそう。わたしもあなたと一緒で、実験適格者! これからよろしくね?」



満面の笑みをたやさない彼女。


人懐っこそうな雰囲気の彼女は、私よりも年上だろう。




ブロンドの長い髪をさらりとかきあげ、彼女はすくっと立ち上がる。


そして、いつまでも起き上がらないわたしに手をさしのべた。


「あ、ありがとうございます」

「いいのよ~」

その仕草までもが流れるような動きで、とても様になっていて…。



わたしはその手につかまり、氷の上に立つ。


横に並ぶとわたしのほうが頭ひとつと半分くらい小さくて、彼女のスタイルのよさがひしひしと感じられた。


わたしは思わず、彼女の整った顔に見いってしまう。



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