ひ き こ さ ん ~始まりの日~
1章
ブロロロロロ
車が通りすぎる。
舞花は背伸びをした。
「んーーーー!はぁ。」
舞花は高校生。久々にこの町に帰ってきた。
理由は親友の莉愛に会うため。
「莉愛と会うの久々だなぁ。」
町を歩いていると懐かしいものがたくさんあって、退屈しのぎになる。
土手に差し掛かったとき、
「ん?」
土手の手前にある、人があまり通らない道。
ズル………………ズル…………ズル
「あ……ああ。」
腰が抜けるかと思った。
髪の長い女の人が人を引きずってる。
(な…………何あれ)
すると女の人が動くのを止めた。
ゆっくりと振り向く女の人。
目は大きく見開き白目を剥いていた。
「あああぁぁぁぁぁぁあ!」
女の人の不気味な奇声が辺りに響く。
舞花はとっさに駆け出していた。
細身で、ゴボウのような脚なのに………女の人は以外に速かった。
幸い、女の人とは100㍍くらい離れていたため、追い付かれることは無さそうだ。
(ともかく!莉愛…………莉愛に会おう。)
舞花は莉愛との待ち合わせ場所を目指した。