マンガみたいな事が起きました。*続*


月曜日


朝早めの出勤


渉さんも結構早い。


できるだけ一緒にいたいから、
私も早めに出てしまう。


「おはようございます」


「ののか先生、早いですね」


“ののか先生”


“相川”とは呼んでくれないの?


舞という女がチラつく。


渉さんといえば、いつも通りにかっこいい。


今日はYシャツを腕まくりして、
赤いネクタイをしている。


「赤いネクタイ……」


意外すぎて思わず口に出してしまった。


渉さんは、ネクタイを触りながら笑顔になった。


きゅんっ


無表情な彼の笑顔なんてレアだ。


なんてときめいたのもつかの間。


「実は自分でも似合わないって思ってるんですけど、もらったのに着けないのは失礼かなーと…」


照れながら言う渉さんに、
私の女の勘レーダーが点滅した。


「“舞”さんからですか?」


きっと彼女からもらったはず。


と、なると………


生徒?


そんなわけないよね。


いくらなんでも渉さんがそんな年下に手を出すわけない。





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