マンガみたいな事が起きました。*続*
その先にいたのが輝くん。
いや、輝さん?
あたしの一個上なんだよね。
「輝も挨拶しなさい」
「………」
お父様の注意に背いてテレビをつける輝さん。
あたし以外の3人が溜息を吐いた。
「あ、あのっ!
これ、家からの……」
重苦しくなった空気をどうにかしようと
渡された紙袋を手渡す。
「舞ちゃんごめんなさいね。
あの子ってああいう子なのよ」
「いえ、別に大丈夫です」
輝さんはテレビの音量を上げた。
リビングに響くテレビの音。
耳を塞ぎたくなる大きな音。
「こら、輝!!」
優しいお父様の怖い声。
「うるっせーな、出て行けばいいんだろ?」
立ち上がって足音を鳴らしながら
リビングの扉を開ける。
閉めるとき、
一瞬
目が合って鋭い目つきで睨まれた。