マンガみたいな事が起きました。*続*
玄関に入るなり、
土下座をして謝る渉にはかなり驚いた。
渉にはいつも驚かされてばかりいる。
「つつつつ、つまり、渉くんは、だね。
うちの舞とだね、あの、その、だから、ほら。あのー……」
「いいじゃないの。
もう夫婦なんだから当たり前よ。
あなたったら……」
「そ、そう……なのか!?
そうか?そうだ、そうだな?」
呆れてるお母さんに、
疑問符を付けているお父さん。
ちょっと恥ずかしい。
だって、
「保健室でそのようなことをしていた僕に問題があります。
舞さんを誘導したのは僕です。
もし何かあったら全て僕が責任をとります」
何してバレたかわかってしまったから。
「責任って……」
お父さんがおどおどしている。
だよね。
いきなり来て土下座して責任なんて話されたらそうなるよね。
「あら、責任っていうのはあなたの会社に入社してあなたの秘書をクビにして渉くんを秘書に抜擢することよ。あなたの秘書の川村さん?だったか。
あの女、お邪魔しますの一言もありがとうございますのお礼もなかったわ」
オホホと笑うお母さんはいつになくしっかりしている。
渉もそんなお母さんを見て、
ホッとしているようだ。