マンガみたいな事が起きました。*続*
「逃げずに来たのね」
窓際にスラッとした美人。
「ののか先生、話ってなんですか?」
窓の外は梅雨明け間近の大雨。
ザァーッと降る雨は、
あたしとののかさんを煽るように降り注いでいる。
「あら、しらばっくれないでよ」
「………」
「面倒くさいからはっきり言うけど、
あなた、渉さんと釣り合ってないわ」
そんなのずっと思ってた。
あたしは平凡な女の子で、
渉はキラキラしてる王子様で。
先生と生徒だし、
この関係を全員が認めるなんて
できっこないって。
でも、
「あたし渉と離れたくない!!」
渉と離れたらあたしは抜け殻みたいになる。
初めて会った日、
いや、結婚式は突然だったけど
たぶんその日からもうあたしは渉の虜になっていたんだ。