マンガみたいな事が起きました。*続*

「美味しそうなお節料理ですね」


「うふふっ、朝早くから頑張ったもの」


目の前には何種類ものお節料理。

これ、全部に意味が込められてるんだよね。


「舞も渉くんも数の子食べなきゃね~。
気が早いかしら?」


“数の子”
子宝と子孫繁栄を祈る


「ちょっ、お母さん!!」


渉が咽せたあたしの背中をさすってくれた。

「まぁ咽せちゃって…、
渉くんのことだから上手くやってくれると思うわ」


「だから……、ごほっけほっ…」


そんなのこんな場で言わなくてもっ!!


「はい。
上手くやってますから大丈夫です」


ニコッ


まるで効果音が聞こえてきそうな笑顔。

お得意の王子様みたいな立ち振る舞い。



こんなの嘘の顔なのに、
みんな騙されてる。






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