マンガみたいな事が起きました。*続*
「やっと俺のこと見てくれた」
「……、うん…っ」
涙が止まらない。
渉と結婚してこんなに泣いたのは初めてかもしれない。
「俺、舞しか見えてない。
相川に限らず他の女も……誰も舞に勝てるやつなんていない。
そんなん、比べなくても一目瞭然だ」
あたしだけ……
「相川を一ミリたりとも好きになってない。相川なんて頭にない。
あるのは…………バカな俺をどうしたらいいかってのと、舞と離婚したくねぇって気持ちだけ」
「それ本当に?」
「本当に本当。
舞を閉じ込めて誰にも渡したくない。
嫌われても別れたくない」
そのまま渉はあたしを強く抱き締めた。
渉の身体が震えていた。
「情けないくらい、舞が好きだ」
震えた声と力強い腕。
「だから、舞、俺を見捨てないでくれ」
あたしは静かに頷いて
渉を抱き締めた。