マンガみたいな事が起きました。*続*

「私、ずっと輝に伝えたかったんだ……」


美味しい料理を口に運んで彼女は言った。


「輝のこと嫌いになったわけじゃないって。
渉さんも輝も、私は両方を好きになってしまったの」


“両方を好きになった”

そう言った彼女に俺は驚きを隠せない。


俺は、ののかが俺のことを嫌いになって……それで兄貴に行ったんだと勘違いしていた。


「結局、2人を傷つけてしまったわ…。
本当にごめんなさい」


彼女は彼女なりに大変だったに違いない。


自分が求めている人がおもしろい人だとする。
場を明るく盛り上げてくれるような存在。


でも、疲れてる時や寂しい時、
ただ明るければいいわけじゃない。

それは煩いに発展してしまうから。


要するに、俺はののかをわかっているようでわかっていなかったわけだ。




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