マンガみたいな事が起きました。*続*
「あのね、あたしは渉のお父様もお母様も大好きだよ。
優しいし、温かいし、こんなあたしを受け入れてくれるから……」
舞の話に耳を傾けながら
俺は頭を撫で続ける。
「だからね、尚更悲しかった。
……輝さんを“ああいうやつ”とか“あいつ”とか“あの子”とか。
他人みたいな、孤立させるみたいな言い方をしてるのが…」
「うん」
「何が輝さんを変えたかはわからないけど、家族なんだからもっと互いのことを理解した方がいいって思った。
…………思ったけど、きっと考えた結果にお父様もお母様も輝さんにあんな態度とってるのかなーって思うと言えなかったんだ」
舞は頭の回転が速い。
自分が思うこと。
それに対しての相手と客観性を持って見ている。
「渉と輝さんの間かなーって思ったりもした。
なんとなく、なんとなくだよ?
輝さんが渉に冷たいような悲しいような目を向けていたから」
勘違いだったらごめんね?
と小さい声で付け足して
後ろの俺を見上げた。
正直、目が泳がないわけない。
もしも過去の話をされて舞に嫌われたら……
考えたくない。
俺は舞を手放す来はさらさらない。