マンガみたいな事が起きました。*続*

右の指が直に触れたとき
あたしはしなるように身体を反る。


舌先は左手と同じ場所にあって、
あたしを試すように弄ぶ。


「……あぁっ、…」


「その声、好き」


「やだ……っ」


「ん?」


ん?とか言いながらも
あたしを攻めるのは決してやめない。


もう時間なんか関係ない。


そんな余裕は全くない。


「同時は……だ、め…っ」


早く言わないと
違う声が入って言葉にならないから。


だから早口で抗議する。


「そっかー…」


一見、わかってくれたように感じたその返事も偽りだと知ってしまう、数秒後。




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