空の彼方
「なら良かった!本当に心配かけないでよね!
それから冬の大会予選も近いんだから無理しないでよ!
でも、次のスタメン望月くんが取るの期待してる!」
「当たり前。
絶対先輩だろうが誰だろうが負けないから」
俺はバンドで膝にアイシングバッグを固定すると、ダンダンと数回ボールを床に付けて
スリーポイントのラインからボールを放った。
ーシュッ!
スタメンを取る最後の敵は中田先輩じゃない。
膝のことを気にしている自分自身だ。
どんな結果になろうと最後に自分にだけは負けたくない。