空の彼方
「だってこんなパカスカシュート決められてたら我慢できなくなってくるじゃん。
タイムとっても変わらないんじゃ、誰かが入って流れ変えないと」
え……
望月くん、本当に言ってるの?
―ピーッ!
とレフリーがホイッスルを鳴らすと第3クォーターが終了してスタメンは戻ってきた。
わたしはベンチのみんなと給水ボトルとタオルを配っていたんだけど
視界には望月くんと相馬先生が話しているのが入ってきた。
「最後のクォーターで俺を使って下さい。
52-38で、この流れで今の西ヶ丘は自分達のプレーすらできてません。
だから、俺がコートに入って他のメンバーと一緒に流れを変えて勝ちに行きます。
絶対に去年の時のように無理はしませんから俺を試合に出してください」
と頭を下げて望月くんは相馬先生に頼んでいた。