空の彼方
「早瀬、さっき上にいた望月と何か話したか?」
も、望月?誰?
今日、初めて聞いた名前だ。
「望月さん?誰ですか?」
わたしは首を傾げながら答えた。
「いただろ?早瀬が窓を開けてる時に会った奴。
アイツ、望月彼方(もちづき かなた)って言うんだよ」
チラっとわたしが窓を開けに行った二階のギャラリーの方を見ながら坂田先輩はそう言った。
「あっ!あの長身の人ですか?
バスケに活かせたら絶対いい選手になると思ってたんですよ!」
わたしは窓を開けていた時に思っていたことをそのまま坂田先輩に伝えた。
すると、坂田先輩はストレッチをしていた手を止めてすごく驚いた顔をして、
そして反対の隣にいた相楽くんが早瀬も中学の時にバスケやってたろーが!と突っ込んで来た。