空の彼方
休憩終わりー!グラウンド戻るぞー!という呼びかける誰かの声が近くで聞こえた。
「じゃあ、俺まだ練習あるから。
また会おうな」
と手を振ってくれた山下先輩に俺は小さく頭を下げた。
山下先輩はそのままグラウンドに戻ろうとしたところ、
マネージャーに止められて給水ボトルを渡されていた。
でも少し飲むと、すぐにマネージャーに戻して、体を動かし始めていて
“俺もあれくらいの気持ちでやらないと”って
今日、一年生の中で初めて試合に出れたことを浸ってる場合じゃないって思った。
その場に止まって喜んでるんじゃなくて、常に一歩先へ一歩先へ自分がどうなって行きたいか考えて
行動に移して、前に進んで行かないと。